「彼女の選択」

　　　　　　　　　目が大きくて足のきれいな
　　　　　　　　　そんな彼女から聞いた話

　　　　　　　　　実は、
　　　　　　　　　と彼女は切り出した
　　　　　　　　　お酒飲むと瞳がてろてろになる
　　　　　　　　　そんな瞳で彼女が切り出す
　　　　　　　　　もうね
　　　　　　　　　仕事やめようと思うんだ
　　　　　　　　　ふうん
　　　　　　　　　彼女と彼の状況は
　　　　　　　　　うわさはすでにメジャーレベルで
　　　　　　　　　まあよくあることだが彼はすでに売約済みで
　　　　　　　　　まあボクにとってそれはどうだっていいのだが

　　　　　　　　　　　　　　　　　それってさ　
　　　　　　　　　「うん？」
　　　　　　　　　　　　　　　　　仕事より彼氏をとるってことじゃん
　　　　　　　　　「まあね」
　　　　　　　　　　　　　　　　　うーん
　　　　　　　　　　　　　　　　　ボクが彼氏だったらね
　　　　　　　　　　　　　　　　　うれしい
　　　　　　　　　　　　　　　　　けどこわいね
　　　　　　　　　「私もそう思う」
　　　　　　　　　　　　　　　　　(笑)

　　　　　　　　　「だけどね」　
　　　　　　　　　　　　　　　　　何？
　　　　　　　　　「私にとっては
　　　　　　　　　　うれしくもないし
　　　　　　　　　　こわいだけなんだよ」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そうか…

　　　　　　　　　恋は
　　　　　　　　　空気のように降ってきて
　　　　　　　　　泥水のように押し流すんだね

　　　　　　　　　店の中
　　　　　　　　　喧噪は再び訪れる
　　　　　　　　　夜は過ぎてゆく

5/03/00